【股関節を柔らかくするストレッチ】 こんな方法あるの知ってました?
「ぎゃー! 痛いー!!」
子供たちの苦痛の叫びが空手道場に響きます。
ある練習メニューによって・・・。
こんにちは。
かつて空手道場で開脚し、後ろから全体重を乗せられるという荒行をした赤鬼です。
今日のテーマはタイトルにも書いてありますように股関節を柔らかくするストレッチについてです。
空手等の武道を習った方ならわかると思いますが、普段の練習メニューに「股割り」と言うものがあります。
文字通り床に座って開脚をし、股関節を柔らかくするわけですが身体が硬いとものすご〜く・・・
痛い!
事実、道場では泣き出すチビッ子が続出。
あの子供たちの苦しみ声が耳から離れず夜も眠れません。
毎日8時間くらいしか眠れないのです。
この子供達を苦しみから解放するために、わたくし赤鬼めは勉強しました。
「正しい股関節のストレッチの方法」を。
その勉強結果を一挙公開いたします!!
それでは行きましょう!!
※ 参考文献 青春出版社 坂詰真二 著 「やってはいけないストレッチ」
Contents
1. やっぱり間違っていた! 昔ながらの方法
さて、先ほどの道場の話に戻りますが、股割りの鍛錬の最中に出来ない子はどうなるか?
後ろから鬼のような館長が背中を踏んづけてくれます。
あかんて先生( ̄▽ ̄;)
空手だけでなく、相撲部屋や器械体操の練習時にも「股割り」は行われていますが、ここに落とし穴があるわけです。
相撲部屋を例にとってみましょう。
この記事をご覧の皆さんの中で「相撲の股割は、股関節の筋を一度切ってしまう。そうすれば柔らかくなる。」と言う話を聞かれた方はいませんか?
おそらく一度くらいは聞いた事があるでしょう。
しかしスポーツ理論が発展した近年、このやり方は危険とされつつあります。(伝統を重んじる相撲部屋では現在も行われていそうですが・・・)
実際問題、この股関節の筋を切って廃業になる力士もいるそうです。
では、どのような方法で行って行けば良いのでしょう?
それをこれから紹介していきたいと思います。
2. 股関節を柔らかくするストレッチ
では早速実践に移りましょう。
今回の記事では体が硬い人から柔らかい人のために初級~上級まで紹介します。
体が硬い人は昔のように柔らかく。
柔らかめの人は更に柔らかくなるように自分の股関節の柔らかさで選んで下さい。
そしてストレッチをする上で絶対にしてはいけない事が上記でも書いてあるように「無理をしない」と言うことです。
無理して筋を痛めてストレッチが出来なくなると、再び硬い体に逆戻りとなりますので慌てず焦らずを心がけましょう。
2-1. 股関節を柔らかくするストレッチ 初級編
股関節を柔らかくするとは言え、身体が硬い人がいきなり股割りなどを行うと怪我をする恐れがあります。
そんな方はこのストレッチをおすすめします。
〇 股関節を柔らかくするストレッチ 初級編
- 壁に背中を付けあぐらをかいて座る
- 両足の裏をくっつける
- 両手で膝を下に押さえつける
- 腹式呼吸を行う
- 目安としては10秒程度(可能ならばもっと長くても良い)
次は画像でごらんください。
足の裏同士を重ねた状態であぐらをかきます。
そのまま両膝を手で下方向に押さえつけます。
通常の方法だと膝の反発力によって床にくっつきにくくなっています。
それを防ぐために壁に背中を付けた状態でやってみてください。
そうする事によって股関節がしっかりとストレッチされます。
床につかない方はグッと下に押し付ける事をお試しください。
一般的には「反動をつけるストレッチはタブー」と言われていますが、それは冒頭ので記述していた「後ろから踏みつける」などの強い力で行う場合です。
軽い反動は「バリスティックストレッチ」と呼ばれる動的ストレッチなので、特に問題ありません。
以上の方法を行う際は、先ほどの三つのポイントをおさえて行うようにしましょう。
では今度や逆に縦方向のストレッチに移りましょう。
〇 股関節を柔らかくするストレッチ 縦バージョン初級編
- 両足を前後に大きく開き手はお尻に置く
- この時はまだ両足に体重を均等にかける
- 上半身を少し後屈させ下半身をグーっと前に押し出す
- 腹式呼吸をしながら行う
- 目安は10秒程
画像で見るとこんな感じです。
腹式呼吸を行いながらグーっと前に下半身を出します。
股関節の前側が気持ちいい感じがしたら正解です。
この時も腹式呼吸を行いながらリラックスしながらやると良いですよ♪
以上、初級編でした。
3-2. 股関節を柔らかくするストレッチ 中級編
この中級編では人によっては上級に分類されるかと思いますが、やり方次第で中級にも上級にもなるので、あえて中級としました。
次は中級編のやり方です。
〇 股関節を柔らかくするストレッチ 中級編 その1
- 床に座り股関節を左右に開く
- 骨盤を前に倒す
- 胸を床にくっつけるようにする
- 肩甲骨を内側によせる
- 複式呼吸で行う
- 10秒~1分を目安にする
今度は画像で見ていきましょう。
まず、床に座って両足を横に開きます。
そのまま骨盤を前に倒すようにしながら体を前傾していきます。(キツイならば膝を軽く曲げましょう)
10秒~1分を目安にして行います。
※ 骨盤を倒す感覚がわかならければおしりの下に折り曲げた座布団などを敷くとやりやすくなります。
ここで背中を丸めないようにするために胸を張りましょう。
もう少しやりやすくするために「髪の毛を鷲掴みにされて前に引っ張られながら倒されていく」と言うイメージで行うと上手く行きます。
前から見るとこんな感じです。
この状態の時も力を抜いてリラックスし、腹式呼吸を行います。
一応これで完成なのですが、どうせならある方法で更に柔らかくしていきましょう。
その方法がこちら。
「肩甲骨を内側に寄せる」です!
たまたま空手の練習中に発見しました。
「股割りしながら肩甲骨のストレッチしたら効率ええやん」と思いつつ、手を後ろで組んで見ると更に股関節が開きました(微々たるものですが・・・)
原因ははっきりとわかりませんが背中の緊張が解けて前に倒れやすくなり、その結果、更に股関節が開いたのだと思います。
ぜひお試しあれ。
では今度は、もう一つのやり方を見ていきましょう。
〇 股関節を柔らかくするストレッチ 中級編 その2
- 床に座り股関節を左右に開く
- 反対の爪先を掴みにいく
- きついならば膝を少し曲げても可
- 爪先をしっかりと立てる
- 腹式呼吸を行う
- 10秒~1分を目安に行う
画像での解説に行きます。
床に座り股を開き、そのまま左手で右足のつま先を掴みに行きます。
今度は反対に右手で左足のつま先を掴みにいきます。
このストレッチも10秒~1分が目安です。
また、先ほどの前に倒す方法と今回の方法ですが、つま先を立てるようにしましょう。
以上、横方向のストレッチでした。
続いて縦方向の方法です。
〇 股関節を柔らかくする方法 中級編 縦方向
- 両足を前後に大きく開く
- 手はお尻に置く
- 後ろ足の膝を床につける
- 背中を丸めないようにし、胸を張る
- 腹式呼吸を行う
- 目安は10秒~1分程度
この方法も比較的簡単なので普段のライフワークに取り入れて行きましょう。
写真のように足の前後の間隔を大きく開け後ろ足の膝を床につけます。
リラックスした状態で10秒を目安に行てみてください。
以上、中級編でした。
はっきり言ってこの中級編でも十分に効果があります。
テレビを見ながらでも可能なので、どんどんチャレンジしましょう。
その際にはヨガマットがあると非常に便利です。
次はいよいよ上級編です!
3-3. 股関節を柔らかくするストレッチ 上級編
いよいよ最後のストレッチにきました。
正直、股関節の柔軟性を求められる競技(空手などの格闘技全般、体操、バレエ等)でもない限り先ほどの中級編で十分です。
とは言え、股関節が柔らかいと硬いとでは若干パフォーマンスにも違いが生じるため柔らかいに越したことはありません。
競技によっては180度の開脚が出来なければならないものもある程です。
実際、空手などでも股関節が硬いと出来ない蹴りがいくつかありますからね( ̄▽ ̄;)
そのため、この上級編が必要なのです。
〇 股関節を柔らかくするストレッチ 上級編
- この上級編に関してはレッグストレッチャーを使用する
- ストレッチャーに座りハンドルをぐるぐる回す
- 背中を丸めないようにし骨盤を倒すようにする
- ストレッチ効果を向上させたければ、座面に折り曲げた座布団やタオルを敷く
- 腹式呼吸で行う
- 目安は10秒~1分程度
さて、上記にも書いてあるように最後の上級編ですがレッグストレッチャーが必要になってきます。
その全貌がこちら。
これを見た友達の感想は・・・・
お前はアホか・・・でした(泣)
しかし!パフォーマンス向上のために必要なものなのである!
使い方はいたって簡単。
レッグストレッチャーに座りハンドルをグルグル回すだけ。
すると徐々に足の部分が左右に開き、股関節のストレッチができるのです。
このレッグストレッチャーの最大のメリットは、テレビをしながらでもゲームをしながれでもできると言うことです。
ただ漫然と過ぎていた時間が「ストレッチの時間」に早変わりするのです。
箇条書きの部分にも書いていましたが、ストレッチの時間を更に向上させるために、お尻の部分に折り曲げた座布団などを敷きましょう。
骨盤が倒れ効果がアップします。
このように少しアレンジするだけで色々と効果アップがはかれるのもストレッチの良いところでしょう。
今回僕が使用したのはボディメーカーのレッグストレッチャーです。
てっとり早く股関節を柔らかくしたければ、使用するのもありかもしれませんね。
※ もちろん中級編のやり方でも効果はあります。
では最後に縦方向のストレッチを紹介して実践編を終わりにしたいと思います。
縦方向の股関節柔らかくする器具はないので、オーソドックスなスタイルで行きましょう。
〇 股関節を柔らかくするストレッチ 縦方向 上級編
- ヨガマットの上などで足を前後に開脚する
- 目線は真っ直ぐにする
- 前の足のつま先を立てる
- 腹式呼吸で行う
- 目安は10秒~1分程度
さて画像で細かく見てみましょう。
う~ん、上記の写真からわかるように僕もまだまだ硬いですね。
( ̄▽ ̄;)
写真のように前後に開脚し、目線を真っ直ぐにします。
腹式呼吸を行い10秒~1分程度を目安にしましょう。
もしもきついのであれば、床に両手をついて行っても問題ありません。
この時も無理をしないように注意しましょう。
以上で股関節を柔らかくするストレッチの紹介を終わります。
次の章からは別に見なくても大丈夫ですが、ストレッチの効果を上げる方法をご紹介したいと思います。
お疲れ様でした!
3. ストレッチ全般において大切な3つのポイント
では、ストレッチにおいて大切な3つのポイントを紹介します。
いきなり股関節のストレッチをしても良いのですが、やはりポイントをおさえていないと効果が下がってしまいます。
どうせなら効果が高い方がやりたいのが人の心理というもの。
少し退屈かもしれませんが下記の項目をしっかりと意識して行うようにして下さい。
さて大切な3つとは何か?それは「腹式呼吸」「イメージ」「体を温める」です。
順番に見ていきましょう。
3-1. 大切なポイントその1 腹式呼吸
腹式呼吸・・・あなたも音楽の授業で習いませんでしたか?
その腹式呼吸とはいったいどのようなものでしょう?
ポイントを見てみましょう。
〇 腹式呼吸ポイント
- 鼻、もしくは口で息を吸い口で息を吐く
- 息を吸うとお腹が膨らみ、息を吐くとお腹がへこむ
人間は普段「胸式呼吸」を行っているわけです。
しかし複式呼吸を行う事によってストレッチ効果が高まります。
例えば今回紹介した股関節のストレッチは、より深く体を前に倒す事ができるようになります。
よく息を止めてしまう方がいますが、筋肉を弛緩させるためにも腹式呼吸を徹底しましょう。
3-2. 大切なポイントその2 イメージ
ストレッチにイメージ?
こう感じられた方が大多数でしょう。
しかしイメージとは意外に人体に影響を及ぼすのです。
以前、中学生を対象にこんな実験をやりました。
「二人一組で、片方の人は相手の方の右腕を右手で掴んでください。次に左手で肘の関節部分を持ち思いっきり曲げてください。」
すると右手は簡単に曲がってします。
今度はこんなイメージをやってもらいました。
「では曲げられる方の人はこうイメージしてください。『自分の腕は鉄の棒です。絶対に曲がらない鉄の棒です。』それではもう一度、曲げてみてください。」
これをうまくイメージをしている中学生の手は全く曲がりませんでした。
割と力自慢の僕がやっても曲げる事はできなかったのです。
いかがでしょう?人間のイメージの力をわかっていただけたと思います。
それではストレッチにおいてどのようなイメージをすると良いか?
答えは「柔らかいものをイメージする」です。
例えば今回の股関節のストレッチにおいて自分の体全体が「ハチミツのように柔らかくトロトロのものになった。」とイメージします。
そうすると、わずかながら股関節が開きやすくなるのです。
あなたもストレッチの際には、ぜひイメージの力を取り入れていきましょう。
大切なポイント その3 体を温める
最後のポイントは「体を温める」です。
これは皆さん一度くらいはお聞きになったことがあるのではありませんか?
では、どうして体を温めなければならないのか?
結論から言うと「筋肉が伸びにくいから」です。
もう少し詳しく解説すると、筋肉は「筋繊維」と言う束で構成されています。
この筋繊維の間にはコラーゲンが混ざっていて、また筋肉を包んでいる膜もコラーゲンで出来ています。
体温が低いと身体が硬くなるのは、筋肉に混ざっているコラーゲンが固まっているからです。
そのためコラーゲンを柔らかくする(筋肉を柔らかくする)ために体温を高める必要があります。
よって、一番ベストなストレッチの時間はお風呂上がりになります。
万が一、お風呂が故障している場合は「スクワット」などを行い体温を高めましょう。
数をこなすと段々と温まってきますよ。
以上がストレッチにおいて大切なポイントでした。
この3つを抑えておくと、効果も少しですが上がります。
ぜひお試しあれ。
4. まとめ
それでは最後に「股関節を柔らかくするストレッチ」を、もう一度おさらいします。
〇 股関節を柔らかくするストレッチまとめ
- 腹式呼吸を行う(鼻もしくは口で息を吸い、口で吐く)
- ストレッチの最中、自分の体を柔らかいものとイメージする
- 体をしっかりと温めた状態で行う
- 股を左右に開き骨盤を前に倒すように行う(頭を前に引っ張られているようなイメージで)
- 爪先をしっかりと立てる
- 勢いをつけて行わない(軽い反動なら可)
- ストレッチ効果を高めるために折り曲げた座布団などを臀部に敷く(横方向のみ)
- 10秒~1分を目安にする
- 股関節が固くて股割りができない場合少し膝を曲げる
- 少しずつ柔らかくなるように焦らず地道に行う
いかがでしたか?おそらく初めて聞くものもあったのではないでしょうか?
股関節が柔らかいと体も疲れにくくなり、また怪我をしにくい等メリットだらけです。
残念ながらストレッチにはダイエット効果はありませんが、
アンチエイジングには必要なものなので普段の生活にどんどん取り入れて行くと良いでしょう。
繰り返しますが筋を痛めないように無理をしない。
これを大前提に行っていきましょう。
それではまた。