バレーボール ディグ(スパイクレシーブ)のコツ 目指せ守護神!
ある日、教え子にこんな質問をされました。
生徒「赤鬼さん、バレーボールで『ディグ』って言葉があるんですけど、どういう意味ですか?」
そして僕は答えます。
赤鬼「はい。ディグとはスパイクレシーブ(強打レシーブ)の事です。英語のスペルではdig。
『掘る』って意味があります。
それは何故かと言うとスパイクレシーブの姿勢が『穴を掘る姿勢』に似ているからです。
日本ではこの呼び方はあまり浸透していません・・・ね・・・。って、どうしました?随分と驚かれていますが・・・」
すると生徒さん。
生徒「いえ、赤鬼さんも真面目に答えて下さる時があるんですね。
いつも余計な事やわけわかんない事言うんで・・・。」
・・・・・・
皆さん、こんにちは。
赤鬼です。
冒頭からお目汚し申し訳ありません。
ちゅうか、余計な事や わけわからん事て何ですのん?
そんなん言うたら僕が不真面目な人に聞こえますやん。
全くもう(;´Д`)=3
さて、今日のお題はズバリ!「バレーボールのスパイクレシーブ(ディグ)のコツ」です。
スパイクレシーブはバレーボールで最も盛り上がるプレイの1つと言っても過言ではありません。
相手の強烈なスパイクを体を張って拾うプレイは、味方の気力を向上させ、周囲の観客も盛り上げる最高のプレイです。
実際に女子バレーが好きな人は「ディグが凄いから女子の方が見てて面白い」とよく言います。
今日はそんな最高のプレイをあなたができるように解説させていただきます。
Contents
1. バレーボール スパイクレシーブ(ディグ)のコツ 基本編
まずは基本的な動きを見ていきましょう。
○ スパイクレシーブ(ディグ)基本動作
- 相手のスパイカーの動きからポジショニング(位置取り)を行う。
- 適切な位置に着いたら低く構える。
- 相手が打ってくる直前にスプリットステップ(その場で軽く跳ぶ動作)を行う。
- なるべくボールの正面に入りレシーブする。(体ごとぶつかって行くようにすればベスト)
- 自分とセッターとの距離の中間地点上空に上げるようにすると綺麗に拾える。
- 無理にセッターに返す必要はなくコート内に上げれば上出来。
以上が一連の動作のポイントです。
では実践編に移りましょう。
相手の動きからボールのコースを読み、適切な位置に移動する。
そして低い姿勢で構えましょう。
ボールが飛んで来た時に驚いて迎えに行かない(目線を上下に動かしたりしない)ようにしましょう。
しっかりとボールを引き付ける事も重要です。
「ボールは腕に当てるだけ」です。
腕を振ってしまうとネットを越えたり弾かれたりするので注意しましょう。
ここで「ボールを当てるだけの感覚」を養うための練習方法を紹介します。
やり方は超簡単。チャンスボールを投げてもらいボールをレシーブします。
その時に全く腕を振らないようにし、ボールがそのままポトリと落ちるようにしましょう。
よくスパイクレシーブをしたらネットを越える教え子にこの方法を試しました。
するとその直後に改善されたので効果はあると思います。
ぜひお試しを。
たまにセッターに返球しようとしてネットを越えてしまう人がいます。
最も綺麗に返そうと思ったら「自分とセッターとの距離のど真ん中上空にボールを上げるようにする」のがベストです。
ボールを真ん中に上げると放物線の性質上、セッターに綺麗に返ります。
しかし先ほどの説明でもあったようにセッターに返球できればもちろん良いに決まっていますが、コート内に上がれば上出来です。
二段トスから攻撃をすればいいわけなので無理にセッターに返す必要はありません。
以上がスパイクレシーブ(ディグ)のコツです。
続いて注意事項を見て行きましょう。
2. バレーボール スパイクレシーブ(ディグ)注意事項
この章ではスパイクレシーブにありがちな注意事項を解説させていただきます。
だいたい小中学生の方を指導していると目に入る「拾えないパターン」は以下のとおりです。
○ 拾えないスパイクレシーブの特徴
- レシーブをする際にお尻が突き出てしまう
- ボールが来た時に驚いて迎えに行ったり顔を背けたりする
- 最悪、目をつぶってしまう
- 腕を振りすぎている
- ボールが来た時に一度腕を引いてレシーブするためレシーブが間に合わず弾かれてしまう
以上がスパイクレシーブが取れない理由の主な原因です。
少し写真で解説してみます。
まずはお尻が突き出てしまうパターンです。
最初の構えのポーズです。ここまでは皆、出来るのですが・・・
レシーブする際にお尻が後方へ突き出た形になり、その結果、床に対して腕の面が垂直に近い形になってしまいます。
その状態でスパイクをレシーブするとどうなるかもうおわかりですね。
ライナーボールになってしまいセッターにものすごく怒られてしまいます。
この状態は極端な例で紹介していますが、写真のようにお尻が突き出ないように意識してレシーブを行いましょう。
この章の冒頭で説明させていただいた中でも「お尻が突き出てしまうパターン」が初心者にはよくありがちなパターンです。
ボールに驚いて迎えに行ったり腕を振ったりするプレイは数を重ねれば改善されていきますが、
この「おしりが突き出てしまうパターン」は癖になるとなかなか改善されないので注意しましょう。
スパイクレシーブが出来ない原因の最後である「腕を一度引いてからレシーブする」パターンでも「腕の角度が床に対して垂直になる」事が多々あるので要注意です。
改善方法としては「目の前に腕をサッと出す事を常に心がける」事が大切になります。
以上がスパイクレシーブ(ディグ)の注意点です。
では次に応用編を見ていきましょう。
3. バレーボール スパイクレシーブ(ディグ)応用編 横のボールの処理方法
試合において自分の真正面にわざわざ打ってくれるスパイカーはいません。
むしろ真正面でレシーブする事が希なケースです。
この章ではそんな「真正面以外のスパイクレシーブ」を見ていきたいと思います。
まずは横のボールの処理方法です。最初ははじかれてしまうパターンを見てみましょう。
○ 横のボールの処理方法
- 相手スパイカーの動きを見て適切な位置に入る
- 横に飛んできたボールに対し左なら左半身を右内側に、右ならば右半身を左内側に捻り込む
- 大勢が不十分なら肩と腕の面だけでも内側に捻りこむ
続いて実践編です。
まずは「拾えないパターン」から見ていきましょう。
ボールが横に飛んで来た場合、よくあるパターンが二つあります。
「自分の体の真横で面を作ってしまい弾かれる」
「面の角度が真横の向いているから後ろに弾かれる」
これを順番に見ていきましょう。
最も最悪なのが「身体が横に開いてしまうパターン」です。
上記の写真のように、つま先が横に開いてしまうと吹っ飛ばされるレシーブ確定となります。
このレシーブもけっこう多いですね。
「床に対して面が真横になっているパターン」です。
例え体勢が不十分でも面は真横ではなく前方斜め上部、かつセッターのいる位置に向けるのが鉄則となります。
以上が横のボールにありがちな悪いパターンです。次に正しいやり方を見ていきましょう。
ボールが左に飛んできたパターンです。
左に飛んできた場合、左肩を内側に捻り面を向けるようにすると弾かれません。
また上記の写真の足元にも注目してください。
左足が横に開いていませんよね?
このように左半身を内側に向けるようにするとボールの勢いに負けずにカットが可能となります。
右側に来たら反対に右半身を内側に捻るようにしましょう。
体勢が不十分だと肩と腕の面だけでも内側に捻るように心がけて下さい。
以上、真横のボールの取り方でした。
次はもっと難しいボールの処理方法です。
3-1. バレーボール スパイクレシーブ(ディグ)応用編 斜め前方のボールの処理方法
今から解説させていただくレシーブは、正直とても難しいので拾えたらラッキーくらいに覚えておきましょう。
ただ、上がると一気に味方の士気を高めるスーパーレシーブの一つです。
○ 斜め前方に飛んできたボールのスパイクレシーブのやり方
- 相手スパイカーの動きを見て適切な位置に入る
- ボールが右、もしくは左前方に飛んで来たらボールの落下地点と床の間に手を差し込む
- ボールを上げたらそのまま滑り込む
さすがに文章だけだと何の事なのかわかりませんね。
写真で解説させていただきます。
ポジショニング完了。ここからが本番です。
ボールが斜め前方に飛んできますよ~。
ボールが前に落ちて来ました!
ここから前に倒れ込んで行きましょう!
ボールと床の間に手を差し込みましょう!
その勢いのまま前に突っ込むのです!
そのまま滑り込むようにして完了です。
写真のように右に来たら左足を上げましょう。
理由ですか?・・・・・・・・何かカッコイイからです!
このままの勢いで左も行きますぞ~!!!
「絶対に上げる!」
「これが起死回生のレシーブだ!!」
「我が生涯に一片の悔い無し!!!」
そんな気持ちで上げるのです!!
ぬおおおおおおお~!!!!!!!
あっ・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・これは悪い見本です!!
以上、スパイクレシーブ応用編でした!!!
チッ(´・ω・`)
4. バレーボール スパイクレシーブ(ディグ) まとめ
それでは本日のメニュー「スパイクレシーブ(ディグ)」をまとめましょう。
○ スパイクレシーブ(ディグ)基本動作
- 相手のスパイカーの動きからポジショニングを行う
- 適切な位置に着いたら低く構える
- 相手が打ってくる直前にスプリットステップ(その場で軽く跳ぶ動作)を行う
- なるべくボールの正面に入りレシーブする(体ごとぶつかって行くようにすればベスト)
- 自分とセッターとの距離の中間地点上空に上げるようにすると綺麗に拾える
- 無理にセッターに返す必要はなくコート内に上げれば上出来
○ 拾えないスパイクレシーブの特徴
- レシーブをする際にお尻が突き出てしまう
- ボールが来た時に驚いて迎えに行ったり顔を背けたりする
- 最悪、目をつぶってしまう
- 腕を振りすぎている
- ボールが来た時に一度腕を引いてレシーブするためレシーブが間に合わず弾かれてしまう
○ 横のボールの処理方法
- 相手スパイカーの動きを見て適切な位置に入る
- 横に飛んできたボールに対し左なら左半身を右内側に、右ならば右半身を左内側に捻り込む
- 大勢が不十分なら肩と腕の面だけでも内側に捻りこむ
○ 斜め前方に飛んできたボールのスパイクレシーブのやり方
- 相手スパイカーの動きを見て適切な位置に入る。
- ボールが右、もしくは左前方に飛んで来たらボールの落下地点と床の間に手を差し込む。
- ボールを上げたらそのまま滑り込む。
いや~、長い記事でしたね( ̄▽ ̄;)
以上がスパイクレシーブのコツです。
今回、紹介させていただいたスパイクレシーブは基本的なものから応用までですが、正直言って試合でこんなに綺麗にレシーブする事はなかなかありません。
女子ならば可能でしょうが男子となるとスパイクのパワーもスピードも段違いなので、体を張って不格好でも上げるようなスタイルになる事が多々あります。
本来ならスパイクレシーブとは華麗なプレイとはかけ離れた もっと泥臭いプレイなのかもしれませんね。
しかし、その泥臭いプレイこそが繰り返しますが、人々を感動させ味方の士気を高めるのです。
僕の経験ですが、高校時代に相手の鋭角のスパイクを体ごとぶつかって上げて(奇跡)味方のテンションが上がり逆転した事がありました。
当時のコーチも今でもそのレシーブを覚えてくださっています。
このように強烈なスパイクはいつまでも人の記憶にも残るものなのです。
次は貴方の番ですよ。
スーパーレシーブで人々を感動の渦に巻き込んでやりましょう!!
それではまた。